フランチャイズ契約において、本部は加盟店に対する命令権はない。本部が加盟店に対して行う指導に加盟店が従わなかった際、責務不履行の問題が発生するが、本部の行う指導は命令とは異なるものである。
しかし、労働契約では、使用者は労働者に対して指揮命令権を持ち、労働者は使用者の指揮命令に従って誠実に労働する責務を負っている。使用者の指揮命令権は、労働の種類や場所、時間、形態、方法等について及んでいる。具体的な例をあげると日常的な業務命令のほか、時間外労働命令や、休日労働命令、出張命令、配転命令、出向命令などである。
労働者が使用者の指揮命令に従わなければ、懲戒事由の対象になる。指揮命令違反による懲戒が有効か否かが争われることだが、当該指揮命令が法令及び労働契約の範囲内にあるかどうか、労働者が指揮命令に服しないことについてやむを得ない自由があったかなかったかが主要な問題点となる。